判例：建物明渡請求事件

判示事項

1　所有者から占有権原の設定を受けて抵当不動産を占有する者に対して抵当権に基づく妨害排除請求をすることができる場合 

2　抵当権に基づく妨害排除請求権の行使に当たり抵当権者が直接自己への抵当不動産の明渡しを請求することができる場合

3　第三者による抵当不動産の占有と抵当権者についての賃料額相当の損害の発生の有無

判例：損害賠償請求事件

判示事項
１　人の容ぼう，姿態をその承諾なく撮影する行為と不法行為の成否 

２　写真週刊誌のカメラマンが刑事事件の法廷において被疑者の容ぼう，姿態を撮影した行為が不法行為法上違法とされた事例 

３　人の容ぼう，姿態を描写したイラスト画を公表する行為と不法行為の成否 

４　刑事事件の法廷における被告人の容ぼう，姿態を描いたイラスト画を写真週刊誌に掲載して公表した行為が不法行為法上違法とはいえないとされた事例 

５　刑事事件の法廷において身体の拘束を受けている状態の被告人の容ぼう，姿態を描いたイラスト画を写真週刊誌に掲載して公表した行為が不法行為法上違法とされた事例

民法判例：不法行為：最新

最高裁　平成１９年３月２０日　判決

裁判要旨

　パチンコ業者らが，風俗営業の許可に係る規制を利用して，競業者において購入した出店予定地での営業許可を受けることができないようにする意図の下に，社会福祉法人に児童遊園の土地等を寄附した行為が，不法行為を構成するとされた事例

※他業者がパチンコ店を出店出来ないように、児童遊園等が近くにある場合はパチンコ店等を出店でじないという法規制を利用し、他業者の出店予定地の近隣の土地を自ら購入し、社会福祉法人に児童遊園として寄付した事例である。これにより、他業者は出店が出来なくなった。
　判例は、『都道府県の条例で定める地域内において良好な風俗環境を保全しようとする趣旨で設けられた規制であるところ，被上告人事業者等は，その趣旨とは関係のない自らの営業利益の確保のために，上記規制を利用し，競業者である上告人が本件パチンコ店を開業することを妨害したものというべきであるから，本件寄附は，許される自由競争の範囲を逸脱し，上告人の営業の自由を侵害するものとして，違法性を有し，不法行為を構成するものと解すべきである。』として、不法行為の成立を認めた。

判例：慰藉料

判示事項

　妻及び未成年の子のある男性と肉体関係を持ち同棲するに至つた女性の行為と右未成年の子に対する不法行為の成否

裁判要旨

　妻及び未成年の子のある男性が他の女性と肉体関係を持ち、妻子のもとを去つて右女性と同棲するに至つた結果、右未成年の子が日常生活において父親から愛情を注がれ、その監護、教育を受けることができなくなつたとしても、右女性の行為は、特段の事情のない限り、未成年の子に対して不法行為を構成するものではない。

昭和54年03月30日最高裁判所第二小法廷



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